推しは推せる時に推せという言葉

TLにいるジャニーズのオタクとか、宝塚のオタクとかが引退や解散に嘆く度に発作のごとく思い出す私の経験を書きたいと思います。

とりあえず、私の現実に生きていた推し・・・推しと言えるかわからないけれど大好きだった人は死にました。一人は心停止、一人は自殺でした。

まず、一人目はヒース・レジャーという俳優さんでした。死んだ時、28歳でした。未だに覚えてますあのショック。

当時、小学生だった私は基本的に周りと趣味がズレてました。理由としては親の趣味です。プリキュアよりはパワーパフガールズだったし、特撮よりはスポンジボブだったし、好きな音楽は基本的に親がよく聞いてたOASISとかレッチリとかボン・ジョヴィとかだったし、好きな芸能人は日本のアイドルじゃなくて海外の俳優さんでした。

兎にも角にも周りと趣味がズレまくりで話に合わせるのに精一杯。別に好きでもないけど、ジャニーズのアイドルの名前を覚えたのも懐かしい記憶です。

そんな生活の中で、私はアメコミに出会いました。これも親の趣味で、確かDCコミックスのものを初めて読んだと思います。で、アメコミにハマった私を父が映画館に連れて行ってくれました。その映画こそがダークナイトでした。その時の感動と言ったら凄かったです。あのバットマンが画面に居る!!凄い!!と。まぁ、アイアンマンでも同じようなリアクションしてましたが(笑)で、そんな、ダークナイトを見て、私が幼心に一番惹かれたのはジョーカーでした。

とにかくジョーカーがかっこよかった。理由なんて未だに分からないんですけど、とにかくかっこよかった。強かった、すごかった、めちゃくちゃにかっこよかった。悪い奴って頭の中で分かってはいたけど、好きになってました。悪役なのにこんなにカッコイイだなんて、と。それから、ジョーカーを演じていたヒース・レジャーのことを調べた私はWOWOWとかレンタルDVDショップで、彼が出ていた映画とかを追いかけてました。

で、ヒース・レジャーに抱いた思いというのは、なんてカッコイイ人なの!という気持ちです。すごくハンサムで、優しそうな目がたまらなくかっこよくて。で、幼かった頃のそんな私は、ふと目にしたわけです。ヒース・レジャーがもう死んでいるという情報を。

その時のショックといったら、もう凄かったです。え?本当に?ヒース・レジャーはもう死んじゃってたの?と。受け入れ難いとはこの事かって感じでした。私が初めてヒース・レジャーに出会ったダークナイトが、ヒース・レジャーにとっての遺作になっていたわけです。

結局、未だにヒース・レジャーが出てた映画時々見るし、見る度にカッコイイなぁと思うばかり。生まれてくるのがもっともっと早ければと思わざるを得なかったです。

で、そんなこんなで「好きな人はもう死んでるのかもしれない」みたいなことを踏まえておけと学習した私は、中学生ら辺の時分にLINKIN PARKというバンドに出会いました。

この、LINKIN PARKのボーカル。チェスター・ベニントンが私のもう一人の推しです。チェスターは自殺しました。それも唐突に。

すいません、ここから先、多分ちょっと日本語変になります。

LINKIN PARKってバンドをそもそもどれぐらいの人が知ってるのかもわかんないんですけど、兎にも角にも私にとってはかっこいいロックバンドです。大好き。ボーカルが亡くなっても、未だに解散はしてないし、復活してくれるとおもってます。それを未だに待ってる。でも、もうチェスターの歌声を聞くことがないのだと思うととにかく寂しい。寂しいんです。

LINKIN PARK自体は、チェスター加入前にもボーカルがいたんですが、諸々あってチェスターが加入してから本格的に売れ始めました。だからやっぱり、LINKIN PARKと言えばチェスターって所は大きいと思ってます。

で、私が初めてLINKIN PARKを聞いたのは実は映画のトランスフォーマーを観た時なのですが、それから暫くして本格的に私がハマったきっかけはCDショップで色々見てた時、不意にとったアルバムliving thingsを買ったことです。それについてたボーナストラックのWhat I've doneのライブ映像で一目惚れ。かっけぇ!!すげぇ!!ってなって、アルバム聞き通しました。むちゃくちゃカッコよくて、気づいたら小遣いを貯めてアルバムやシングルを買ってました。もうめちゃくちゃ聴いてた。

部活とか辛い時はLINKIN PARKを聴いてました。Numbの「Is be more like me and be less like you」って所に励まされたりもしてました。兎にも角にも、私の青春は洋ロックと共にあったし、その中にLINKIN PARKが燦然と居ました。

LINKIN PARKは6人全員がオリジナルで誰も真似できない。LINKIN PARKが出てから、LINKIN PARKっぽいバンドが沢山出るようになった。ラップとボーカルのコンビネーションとか、初めてやったのはLINKIN PARKだし、やっぱり伝説だよって、思ってます。

で、そんなバンドのフロントマンであったチェスターは私にとっても、きっと誰かにとっても特別で。困難だってみんなと一緒に乗り越えるよ、って言うインタビューの言葉とかから、滲み出る優しさとは裏腹に、重い歌詞や歌声から溢れ出る激しさに痺れるばかりだし、ハイトーンボイスにあのシャウトに、もうほんと凄いなって、かっこいいな、好きだなって思うばかり。

そんなLINKIN PARKが2017年に来日公演となって、実はチケット取ってました。いこうと思ってました。めっちゃ楽しみだった。夢だった。やっと聴ける、生であの声を、あの歌を。どんなセトリかな、どんなライブなのかなって楽しみにしてた。でも、そんな私に飛び込んできたのは、チェスターの訃報でした。自殺だって、twitterの速報で見たのは忘れません。

正直、嘘でしょ?って感じでした。だって、インスタにも笑顔で写ってた。自然に笑ってた。なんで?なんでなの?って感じでした。チェスターの親友であるクリス・コーネルが亡くなったのは知ってたし、それは心配してたんです。でも、それがこんな形になるなんて思ってなかった。クリス・コーネルの誕生日にチェスターが自殺するなんて思ってなかった。もちろん、憶測だし、真実はチェスターしか知らないけど、でも、なんか色々考えざるを得ない、未だに考える。

兎に角ショックというか、信じられないというか、現実味がありません。ほんとに、未だに無い。だって、音源再生すれば何も色褪せない名曲と共にチェスターの歌声があるから。でも、そうして音源を聞く度に、メンバーやチェスターの家族の辛さを思って心配になったりする。頭では死んだことが、活動休止時間とか、R.I.P.のメッセージとかからわかってるのに、気持ちが受けつけないと言う奴です、多分。

なんで、困難をみんなとなら乗り越えられると言ってた人が一人で抱えて逝ってしまったのか、なんで、なんでって、思うばかり。

辛いとか悲しいとかよく分からないけど、とにかく寂しい。寂しいです。ほんとに、ごめんなんかもうよく分からない。

で、私はまぁ、そういう思いをしたというか、「推し、推し達が死によって活動を終えた」思いをしたのですが、そんな私が言えることは、「推しは推せる時に推しとけ」ってのと「幸運だから推せる」ってことです。

推しのグッズは、「推しが生きていた証拠」になります。推しの歌も、「推しが生きていた証」です。推しが死んでしまったら、ただのグッズなんかじゃなくなる。グッズは「生きた証」になるんです。LINKIN PARKのCDを見る度に、あぁ、ちゃんとLINKIN PARKというバンドはある、って再確認できる。それのなんと有難いことか。友人達の「次、○○のライブ行くんだー!」って言葉とかを聞く度に、胸の下の下の方で、もう行けない、もう生で聴けないって事実が弾けそうになる。そんな時には、CDを見るし、曲を聴く。「ちゃんと、居た。ちゃんと在る。何も色あせてない、過去じゃない。」って、なる。「まだ、LINKIN PARKは終わってない。チェスターの宝物は輝いてる。復活する。」って信じられる。

そして、幸運だから推せるってのも、そう。わたしが10年早く生まれていたなら、ヒース・レジャーにも会えたかもしれない。ヒース・レジャーの映画をもっと沢山映画館で見れた。でも、それは叶わなかった。どうしようもなかった。幼すぎました私は。

だから、好きになれる、推せるって思える人と「同じ時代に生きて、同じ時を過ごせる」ことは、本当に幸運なことだと思うし、そもそも「好きだ、推せると思える何か」に出会えることも幸運なことだと思います。

もちろん、LINKIN PARKとかヒース・レジャーだけが私の全てじゃないし、私は今も推しを推してます。好きな俳優さんとかバンドとか、追っかけてる。すごく幸せです。楽しい毎日過ごしてます。でも、不意にこのことが過ぎります。あ、明日死ぬかもしれないんだな、この人、って。今、推せることが幸せだなって、思えます。新曲を買えること、映画館に出演作を見に行けること、SNSを更新してくれること、こんなの全然当たり前じゃないんだな、って不意に思い出す度に思います。

で、最後にお願いというか、頼みというか、懇願というか、アドバイスというか、なんと言ったらいいのかわからないんですけど、推しは推せる時に推しとけってのは真理だと思います。

貴方の推しも明日死ぬかもしれない。だって人間だもん。分からない。

私の反省というか、まぁ、これを見て、こう、オタクライフを、もっと幸せな形でエンジョイできる人が増えますように。ただ、それを祈ってます。幸せにファンをしてくれ。オタクしてくれ。

お願いします。貴方の推しと貴方に幸せが沢山訪れることを祈ってます。

未だに気持ちがザワザワしてしまう私みたいにならないで、どうか、しっかり向き合って前に進んでください。お願いします。幸せにオタクをしてください。幸せにファンをしてください。

そして、私は幸せなLINKIN PARKチェスター・ベニントンのファンです。私は幸せなヒース・レジャーのファンです。ありがとう。ほんとに、ありがとうございます。